オオサンショウウオとは
概要
オオサンショウウオは世界最大級の両生類である。全長150cm、体重30kgにもなるものもいる。
神聖な山の麓の渓流に生息している。
古代の人々は、大山を「大神岳(おおかみのたけ)」と呼び、神のおわす山として崇めてきました。その山の麓から流れる川に、オオサンショウウオは生息しています。大山のおかげで雨量が多く、25℃以下の温度を保つことができ、多くの命を育む川はオオサンショウウオにとって絶好の生息地です。
1,700m超の大山から海までの間に流れる川はわずか6kmほどしかなく、海に割と近い場所でも繁殖が確認されている、非常に珍しい生息地です。
人間による開発で危機に瀕している。
繁殖期になると、繁殖巣穴まで遡上する。しかし、残念ながら道路や堰、ダムなどの建設により、川や小川が分断されたり、せき止められたりしている。繁殖巣穴は、自然にできた横穴や大きな石の下など身を隠せる場所を利用するが、コンクリートで固められた川では繁殖を行うことは難しい。
しかし、希望はある。
私たちのキャンペーンは、重要な生息地を特定し、オオサンショウウオの状況について一般の人々が学ぶ場を設け、生息地を保護するための長期的な地域社会とのパートナーシップを確立することを目的としています。特に、生息が確認されていて調査のしやすい名和川流域に焦点を当てています。重要な繁殖期にオオサンショウウオが上下流できるように堰にバイパス構造を設置し、サンクチュアリ(保護区)を作ることが重要な目標です。また、サンショウウオの専門家や地元自治体と協力し、堰の影響をどのように受けているかをより理解するための調査、個体数の現状把握、そして将来的にはチュウゴクオオサンショウウオとの交雑を防ぐためのDNA鑑定をすることも目標にしています。
オオサンショウウオとは
オオサンショウウオ(JGS、Andrias japonicus)は、平らな形で、体の側面に沿って複数の皮膚のひだがある、水棲の大型サンショウウオである。頭部も幅広、平らで、左右に小さな目がある。手足は短くがっしりとしていて、4本の指と5本の足指があり、櫛状になっていない。尻尾は大きく、体長の半分以上あることもある。体色は様々であるが、成体は赤褐色から紫色で、腹部には多くの斑点があり、淡い色をしている。若い個体は色が薄く、時には黄色に近く、濃い斑点がある。
繁殖期に入るまでは雌雄の差はなく、成熟した雄は肛門が膨らみ、雌は卵を抱えている時は著しく体が大きくなる。若いJGSは同じような色をしていて、外鰓(がいさい)と呼ばれる大きなエラがあるが、成長するにつれて消えてしまう。
チュウゴクオオサンショウウオは外見がよく似ているが、頭部と頸部に結節(イボ状の突起)が2列に並んでいるのに対し、JGSは大きく、同じ場所に点在している。また、JGSは鼻がより丸く、尾が短い。これらの違いは長年の経験を持つ者でも見分けがつきにくいため、どの種であるかを見分けるにはDNA分析が最も適している。
生息地
オオサンショウウオは西日本(岐阜以西の本州、四国、九州の一部)に生息している。主に中国地方の広島県、島根県、岡山県、鳥取県、兵庫県に広く分布しているが、個体数の減少が続いており、生息域はますます細分化されつつある。 一般的に上流の流れが穏やかな場所を好むが、中下流域で見つかることも少なくはない。
行動
JGSは完全な水棲で夜行性の生物であり、水の外や日中に姿を見せることはめったにない。繁殖期以外は河川の狭い範囲に留まり、夜間に狩りを行い、日中はあまり活動しない傾向がある。長距離に分散することもあるが、一度好みの未開拓の場所を見つけると、そこに留まる傾向がある。生息密度や利用可能な生息地によっては、他のJGSと縄張り争いをすることもあるが、繁殖期にはこの活動が非常に活発になる。
夏の終わり頃、JGSはより活発になり、最高の繁殖場所を求めて長い距離を移動することもある。オス同士の競争は激しく、死んだり重傷を負ったりしているオスを見かけることも少なくない。一般に、体格の大きなオスが最も適した場所を支配し、「ヌシ」と呼ばれる。この場所が十分に適切であれば、毎年同じ個体が使用することができる。また、この巣穴の主は、他のオスを遠ざけるために周囲をパトロールする。やがてメスがやってきて巣穴に入り、卵を産み、外部で受精する。
そして、秋に孵化するまでの間、卵はしっかりと守られ保護される。 オスは卵を守るだけでなく、質の高い育雛行動をとる。 尾を扇状に広げて卵の上の水を循環させ清潔に保ち、十分な酸素を供給し続ける。 また、死んでしまった卵、受精していない卵、病気になった卵を見つけては取り除き、水カビ等の感染を防いでいる。孵化した幼生は2月頃になると離散し、半年以上巣穴を守り続けたヌシも生息巣穴へ戻る。
捕食
オオサンショウウオは主に淡水に住むカニや魚を食べるが、来るもの拒まずな性格であるので、カエル、ヘビ、小型哺乳類、カメ、クモ、昆虫なども食べることがある。水田などの農耕地は、オオサンショウウオの餌でもあるカエルなどにとっても重要な生息地です。したがって、持続可能な農業の実践は、オオサンショウウオを含む地域の食物環境を支えるために重要である。
寄付
皆さんの寄付によって、オオサンショウウオの保護・保全活動を行うことができます。詳細については、「オオサンショウウオを救おうキャンペーン」ページをご覧ください。